第147回東北連合産科婦人科学会総会・学術講演会
会長 手 塚 尚 広
山形県産婦人科医会会長
公立置賜総合病院副院長
2019年6月15日(土)から2日間、山形市で第147回東北連合産科婦人科学会学術講演会を開催いたします。この伝統ある本学会を担当させていただくことは光栄の至りであり、会員の皆様には心より感謝申し上げます。
もとよりこの学術講演会の準備と運営は、大学の絶大なる協力と理解なくして成し得ないものと、私は認識しております。プログラム委員長を快くお引き受けいただきました永瀬 智教授と、事務局長としてすでに奔走されている松尾幸城助教を中心とする大勢の方々のご努力によって、着々と準備が進んでいるところです。
本学会のメインテーマを「いまこそ考える、本当に大切なことは何か」としました。2019年4月30日に「平成」が終わります。「平成」を混沌とした時代とよぶ向きもありますが、その「平成」から新しい時代に突入したそのとき、本学会が開かれます。そのような時機に開催される本学会を、本当に大切なことは何かと、いま一度立ち止まって考える機会にしていただきたい、という私の願いがこのメインテーマに込められています。
会長招請講演には、京都大学高等研究院特別教授の松沢哲郎先生をお招きしました。1977年から「アイ・プロジェクト」とよばれるチンパンジーの心の研究を開始し、チンパンジーの研究を通じて人間の心や行動の進化的起源を探り、「比較認知科学」という新しい研究領域を開拓された先生です(京都大学高等研究院のホームページから)。私はおよそ5年前に、松沢先生の著書を拝読しました。そのとき受けた感銘と驚きを、私は忘れることができなかったのです。医学とは異分野からの招請を望むとする、実行委員からの声もありました。本学会のメインテーマを意識するとき松沢先生のご講演は、私たち人間がいつともなく忘れ去ってしまった大事なことを思い起こす契機となるような大きな示唆を、私たちに与えてくれるのかもしれません。
特別講演として、山形大学医学部附属病院病院長の根本建二教授をお迎えし、重粒子線治療をテーマにお話しいただくことになっています。そのほか、周産期や腫瘍、生殖、女性医学といった各分野のスペシャリストの先生方による教育講演やイブニングセミナー、ランチョンセミナーなどを予定しています。もちろん一般演題も募集いたします。その際には、多数のご応募をお待ちしています。
私たち実行委員会のメンバーは、本学会が実り多い学術講演会となりますよう努力する所存です。初夏の山形で美味しい食材を楽しみ、大いに勉強し、そして熱い議論が展開されることを期待しています。大勢の皆様のご参加を心よりお待ちしております。